「秋は淋しい」の感想
秋は淋しい
あきはさびしい
初出:「新潮」1918(大正7)年3月号

素木しづ

分量:約19
書き出し:一|時《じ》心配した時子の病氣も、だん/\快《い》い方に向って来ると、朝子は毎日ぼんやりした顔をして子供のベッドの裾の方に腰をおろしてゐた。そして時子の寝てゐる間は、白いカーテンの巻き上げてある窓の方を見てゐる。窓からは、毎日のやうに釣台で運ばれて来る病人が見えた。病人の顔は黄色くなった木の葉のやうにみんな力ない。けれども空はいつも晴れてゐた。窓のそばには、大きな桜の木が一本、庭一ぱいに枝をひろげ...
更新日: 2025/05/23
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  とりわけ 筋立てを 後生 大事に 信奉する 大多数の 読み手と しては 事件らしい 事件が 起こり はらはら どきどきと させて くれるような 文章を 最上位に 置くのは 無理も ない。  この文章は 病弱な 幼子を 気遣う 気持ちの 描写が ことのほか 巧で あり 芸術家として 悪戦苦闘 している 画家である 夫を なにかと 気にする 妻の 心持ちが 活写されている。詩情 溢れる 優れた 作品と 感じた。

更新日: 2022/06/10
阿波のケンさんさんの感想

認められない画家、病身の妻と子供。傍目には幸福とは言えないがお互い信じあった者同士の細やかな愛情、緩やかな時間が流れる。

更新日: 2022/05/25
らっきーさんの感想

秋風吹く湖面のさざ波のような心の動きが細かく描かれていますが、その奥底には、自分や子供の健康、そして夫の仕事に対する不安があり、秋の寂しい風景と共にそれが大きな塊となってのし掛かっている、そんな短編です。

更新日: 2020/12/02
19双之川喜41さんの感想

 売れない画家の一家。 秋をむかえて 主は創作に いそしむはず。 病弱の妻と 入院中の幼子の世話に忙殺され 気が焦っている。 深まり行く風景のなか たんたんと描写。

更新日: 2020/04/17
245f21dfaaeaさんの感想

自分が病むこと、子が病むこと、それはそこはかとない哀しさだ。おっとを気遣う、おっとも気遣う、そうでなければすぐにでも終わってしまいそう。こどもの心配をしていて欲しいと切に願った。ずっとずっと、こどもと夫を気遣い続けて、それが彼女が生きていることだと、応援した。

更新日: 2018/09/29
25c37b8a92f1さんの感想

死と判断していいと思うのですが、突然のことが、秋をより深く感じさせられました。

更新日: 2016/05/26
YELLOWテントマンさんの感想

春になれば八重桜が見事に咲き乱れるであろう姿を実感として想像出来ないばかりか、元気であれば気がつかないような、落ち葉の音が聞こえてくることや、家の静かさに押しつぶされている心境など、作者自身の死期が迫っているから、描写にリアリティが有る。

更新日: 2016/05/26
80c236001b1eさんの感想

内容がよくわからなっかった。

更新日: 2015/09/10
a5ac6a3c331fさんの感想

年表から推察すると 亡くなる寸前に 書かれた作品です。 このあと 作者の体はどんどん衰弱していったのでしょうか。 なんとも辛い お話です。 飾らない文章で、一途なきがします。