情景の描写がとても美しく、とても読みやすかったです。 男が鮨を食べるのは在りし日の母を思いを寄せてか… ちょっと切ない作品でした。
著者の感覚の鋭敏さに驚かされた。岡本かの子の世界への関わり方、情報の感じ取り方、向き合い方には成熟した過敏さのようななものがあるように感じられた。
昔サピでやった文章にこんなところでめぐり会うとは 異物を身体に同化させることの穢れの感覚はよくわかる 彼には穢れを受け続けることこそが生きることなのかもしれない
湊のお母さんが息子へのお寿司にとても工夫しつつ、父親との諍いがあったりするのが人間模様の一筋縄では行かない所だなと思った。そして不仲を冷めた目で息子に見られるの切ない、、、 若い女性の「恋じゃないかもしれないけど何かちょっと気になる」という感じも良かった。 2021/03/22読了。
浅草海苔と卵しか食べない極端な偏食を 母親は手作りの握り寿司を 巧みな誘導で息子に勧め 偏食を克服する。 その思い出と共に 紳士は店から 姿をけした。 手作りの様子を 「一つの気持ちの痺れた世界」と呼ぶ。
人間味、そして時代。ある常連客と寿司屋の看板娘との、情緒溢れる語りが非常に美しく、尚且つどこか粋な風に話が纏まっていました。 どこにでも鮨屋はあるんですからね。 どこへ行っても、繋がりはあるんでしょう。そうだといいな。
ふらりと立ち寄ってお鮨食べたくなる。そして母親の愛は尊い。
先生、の思い出話の透明感。少年の体質とそれに清潔に働きかける手段としての寿司。ここの描写がとても好きだ。
母親の優しさ溢れてて好きな作品