「仇討三態」の感想
仇討三態
あだうちさんたい

菊池寛

分量:約42
書き出し:その一越《こし》の御山《みやま》永平寺にも、爽やかな初夏が来た。冬の間、日毎《ひごと》日毎の雪|作務《さむ》に雲水たちを苦しめた雪も、深い谷間からさえ、その跡を絶ってしまった。十幾棟の大伽藍を囲んで、矗々《ちくちく》と天を摩している老杉《ろうさん》に交って、栃《とち》や欅《けやき》が薄緑の水々しい芽を吹き始めた。山桜は、散り果ててしまったが、野生の藤が、木々の下枝《しずえ》にからみながら、ほのかな...
更新日: 2023/05/04
f19eea509f52さんの感想

たまたま2話目をラジオで聴いたので読んでみたが、面白かった。1話目は、2話目や恩讐の彼方にに通じるところもあるかなとも思った。 3話目は宿屋仇みたいで、お調子者ががノセられていく感じが可笑しくもあり、哀しくもあり

更新日: 2020/08/07
19双之川喜41さんの感想

 一 身近くに 敵がいることに 気づくけど 修行中でもあり 相手を許すと告げたら 逆に 剃刀で殺められ 返り討ちとなってしまう。 二 敵が病死してしまい そのことで 悪口雑言を 流布されるけど 仇討ちを 果たした者から 労う(ねぎら)う ようなことを言われて つい落涙してしまう。 三 法螺話で 人を殺したと吹聴して 真に受けた女に 刺し殺されてしまう。 方や 女は 破格の待遇を受けるに 至った。

更新日: 2019/12/02
b9ef941530ccさんの感想

菊池寛の仇討ち三態は、江戸時代の敵討を語ったものだが、平成の時代の人間からみればどうもしょうもない。半澤直樹の遣られたら遣り返す倍返しの様な面白さは微塵も感じない。やはり時代が変われば菊池寛の時代劇描写もおもろなくなってきた。つまらん。