「二人の役人」の感想
二人の役人
ふたりのやくにん

宮沢賢治

分量:約13
書き出し:その頃《ころ》の風穂《かぜほ》の野はらは、ほんたうに立派でした。青い萱《かや》や光る茨《いばら》やけむりのやうな穂を出す草で一ぱい、それにあちこちには栗《くり》の木やはんの木の小さな林もありました。野原は今は練兵場や粟《あは》の畑や苗圃《なへばたけ》などになってそれでも騎兵の馬が光ったり、白いシャツの人が働いたり、汽車で通ってもなかなか奇麗ですけれども、前はまだまだ立派でした。九月になると私どもは...
更新日: 2016/06/16
芦屋のまーちゃんさんの感想

一般企業以上に上席者に気を使わなければならぬ役人の世界を少年の目から見ると、その光景は滑稽そのものであった。 役人もあまりにも不自然な細工に気づきダメ出しをするところなんて、正直でいい。 どこかの都知事みたいに黒を白と言い続けるような真似はしない。滑稽さに気付かぬ者はむしろ哀れだ! 賢治はその辺を良くわきまえている。