「哀しき父」の感想
哀しき父
かなしきちち
葛西善蔵
分量:約18分
書き出し:
一彼はまたいつとなくだん/\と場末へ追ひ込まれてゐた。四月の末であつた。空にはもや/\と靄《もや》のやうな雲がつまつて、日光がチカ/\桜の青葉に降りそゝいで、雀《すゞめ》の子がヂユク/\啼《な》きくさつてゐた。どこかで朝から晩まで地形《ぢぎやう》ならしのヤートコセが始まつてゐた……。彼は疲れて、青い顔をして、眼色は病んだ獣《けもの》のやうに鈍く光つてゐる。不眠の夜が続く。ぢつとしてゐても動悸《どう...
作品詳細
作品を読む
更新日: 2022/04/05
阿波のケンさんさんの感想
彼は自分の事を父と呼んでいる。父は貧しい詩人で結核を病んでいる。妻を亡くし子供を遠くの母に預けている。家財を売って子供に靴を贈る。病気は益々悪くなる。どうにも出来ない境遇を描いている。
青空文庫ビューア Ad
Icons made by
Freepik
from
www.flaticon.com