「如是我聞」の感想
如是我聞
にょぜがもん

太宰治

分量:約59
書き出し:一他人を攻撃したって、つまらない。攻撃すべきは、あの者たちの神だ。敵の神をこそ撃つべきだ。でも、撃つには先ず、敵の神を発見しなければならぬ。ひとは、自分の真の神をよく隠す。これは、仏人ヴァレリイの呟《つぶや》きらしいが、自分は、この十年間、腹が立っても、抑えに抑えていたことを、これから毎月、この雑誌(新潮)に、どんなに人からそのために、不愉快がられても、書いて行かなければならぬ、そのような、自分の...
更新日: 2022/09/26
08b2b7b12283さんの感想

この本については、 うろ覚えだけれど、 今日まで太宰治ファンが ある一定の若者たちの間に いまだにいるのは、 当時のその他の流行作家に較べて、 彼の小説があまり難しい漢字や 言葉を用いていないところかと 思う。 例えば、 彼は旧帝国大学出ではあるが、 小説『I can speak』など、 めちゃくちゃ平易な英語を使用した、 ほっこりするような小説を 書いてたりする。 だもんで 頭角を現した途端 『文壇の大御所』たちから 作品について バカにされたりするのが 我慢ならなかったのだと思う。 また このことは、 彼が一時期左翼運動に 邁進していたこととも 関係するのかと思う。 つまるところ彼は、 うんうんひねった上で 文章を書く 『言葉の魔術師』 であったわけだ。 平易な言葉を使いながら、 読む人にとって 面白いと思える文章を書く。 それを 急に頭角を現したからといって とんちんかんな箇所で 叩いてくる 大御所たちの態度に 我慢ならんかったのでせう。 まぁ 後年 三島由紀夫さんが ご自身のエッセイかなにかで 『ヴィヨンの妻』 の上流階級の私生活の部分について 批判してて、 それはまぁ正しかったかなと 私は思いましたけど(;´∀`) 太宰さんって確か 親が一代で築き上げた新興成金なんで、 身近にモノホンの 上流貴族のいる三島さんから したら、言いたいこといっぱい あったかもね。 だもんで 太宰さんが 妙に貴族ぶるのが きっとお嫌だったのでしょう。 まる。

更新日: 2021/10/17
b4f124ae0669さんの感想

 先輩に対する悪口雑言の数々。現在の「新潮」には絶対に載らない文章。こんなのが公開された日には、編集長は首、雑誌は廃刊、挙げ句の果てに社長辞任。それでもおさまらないかもしれない。そんな危険極まりない「如是我聞」は、作者口述を「新潮」編集長が筆記した。  駆け出しの頃には川端康成を「大悪党」と呼び、死ぬ間際には井伏鱒二を「悪人」と吐き捨てる。この作者は先輩諸氏に甘えに甘え、忠告を非難と受け取り羞恥赤面、認めてもらえないと悟るや狂乱の極に。デビューから死ぬまで一貫して全く手に負えない。  この作者は今では文豪ということになっているが、仮に現代に生きているとしたらさしずめ・・・。いや、やめておこう。彼も紛れもなく時代の子であり、現代社会には生まれようがない。  1948年に亡くなり70年以上が過ぎ、彼は「文豪」になった。一方、志賀直哉も文豪に違いないが余程の文学ファンでない限り殆ど読まれなくなっている。彼が言う通り「家内中が、流行性感冒にかかったことなど」に現代人は興味がないのかも知れない。    

更新日: 2019/12/17
3fb5267a3520さんの感想

三まで良かった。三迄は筋が通っていて気持ちが良かった。 よせばいいのに四まで行って品が落ちた。志賀直哉に対しておまえ呼ばわりはどうなのかと思う。怒っていてももう少し呼び方があるだろう。オチの宮様もどうなのかなぁ。四は要らない、下世話過ぎる。 しかし、勇気ある発言に若い作家たちは喜んだと思う。

更新日: 2019/11/01
19双之川喜41さんの感想

 文壇の重鎮達に 滅多やたらに 噛みつく。 「ヴィヨンの妻」の酷評に 「蓄膿症(ちくのうしょう)じゃねえか」と 毒づく。 業界での遊泳術よりも 言っておかなければ 腹の虫がおさまらないと 撃ってでる。 自死の遠因ではないかと 思うほどに 強烈である。 しかし 傾聴すべきてんは 多いと感じた。

更新日: 2019/10/06
42474656bb21さんの感想

最高。ひねくれというか、意地というか

更新日: 2019/06/19
8e55054b92f3さんの感想

馬鹿学者、馬鹿文豪にぷんぷん怒っている。志賀直哉にた対する嫌悪感半端ない(笑)。書きながら感情がどんどん加速して完全に修羅界。 でも馬鹿文豪たちが太宰に寄り添った声かけをしたなら、素直に喜んでホッとするんやないかな。。

更新日: 2017/07/07
2d0418e6e01eさんの感想

どんだけ志賀直哉嫌いなんだよと思った

更新日: 2017/05/30
さんの感想

ひたすら面白い! 特に、半分以降の志賀直哉に対する意見は読んでてフフフっと笑ってしまうほどでした