森鴎外の遺書。一度従軍したときに書いたっぽいが、その後帰ってきて遺産も増えて子供もうまれたので財産分与のこととか書き直したらしい。前半は遺産の相続について書かれてる。 印象的だった後半は、「宮内省陸軍軍人としてでなく石見人の森林太郎として死ぬつもりだから墓石には「森林太郎」とだけしるし、他の字を一切入れるな」と強く強く念押しして書いてたこと。このへんから森鴎外の、陸軍への姿勢が見える。 墓石の字を書いたのは文人の中村フセツ。お墓は三鷹の禅林寺。ちなみに森鴎外の墓の向かい合わせに昭和の文豪・太宰治のお墓もあります。 あと、「少年の頃から一番仲良かった友達は、賀古」と書いてあるけどこれは、鴎外の小説『ウィタ・セクスアリス』に登場する古賀のモデルになった人物ですね!