夢野久作
夢野久作独特の猟奇感がよく表れている作品だと思った。少女や人形、花の香りなどある種のおとぎ話の世界に迷い込んだ猟奇的な脱獄囚という対比構造もまさに夢野久作だと感じる。視点もおもしろく、最後で母娘にバトンタッチすることで脱獄囚はおそらく死んだと思わせている。(気がする) 江戸川乱歩も絶賛したとのことだが個人的にはそこまで刺さらなかった。ただ、情景描写が細かいので様子がありありと浮かんでくる。