「三つの窓」の感想
三つの窓
みっつのまど
初出:「改造」1927(昭和2)年7月

芥川竜之介

分量:約20
書き出し:1鼠一等戦闘艦××の横須賀《よこすか》軍港へはいったのは六月にはいったばかりだった。軍港を囲んだ山々はどれも皆雨のために煙っていた。元来軍艦は碇泊《ていはく》したが最後、鼠《ねずみ》の殖《ふ》えなかったと云うためしはない。——××もまた同じことだった。長雨《ながあめ》の中に旗を垂《た》らした二万|噸《トン》の××の甲板《かんぱん》の下にも鼠はいつか手箱だの衣嚢《いのう》だのにもつきはじめた。こう云...
更新日: 2020/11/08
19双之川喜41さんの感想

 横須賀軍港を材にした 短編集である。 軍艦に 忍び込む鼠を 一匹捕獲すると 一日の上陸が 許される。 新婚者の妻が 陸で捕った鼠を 菓子折りに仕込み 逢瀬を過ごす。 叱責されたあとの 結末に 驚く。