男の 妾への 寵愛ぶりは 同輩から 妬まれていたので 泥酔した妾を 用人の部屋に 引きずり 入れてあらぬ疑いを かけさせるように仕向けたところ 妾の旦那は まんまと引っかかり 残虐な方法で 用人と妾を惨殺したという いわくのある 古家で 次々と奇怪な事件が起きるけど 珍しく 謎解き 仕立て になっていて 解決へと向かう。
作品名から想像していた展開と異なり、予想だにしなかった結末であった作品でした。話の途中までは、よくある怪談の展開なので、この結末には、少々呆気にとられた感があります。しかし、こういう展開は、個人的には、面白いと思います。文章自体は、講談調なので、慣れていないと読み難いかもしれません。しかし、この結末を読むと、講談というよりは、落語の怪談ーー滑稽噺ーーを思われることでしょう。「正体見たり、枯尾花」‥‥でしょうか。
怖すぎワロタ
これぞ泉鏡花のTHE 女怪。 血のしたたるような迫力ある過去の因縁話の描写から、現在の怪現象への探求、小冒険まで終始ワクワクできる作品。 怖いながらもどこか愛らしい滑稽さもある短編でした。