「河口湖」の感想
河口湖
かわぐちこ
伊藤左千夫
分量:約12分
書き出し:
段ばしごがギチギチ音がする。まもなくふすまがあく。茶盆をふすまの片辺《かたべ》へおいて、すこぶるていねいにおじぎをした女は宿の娘らしい。霜枯れのしずかなこのごろ、空もしぐれもようで湖水の水はいよいよおちついて見える。しばらく客というもののなかったような宿のさびしさ。娘は茶をついで予《よ》にすすめる。年は二十《はたち》ばかりと見えた。紅蓮《ぐれん》の花びらをとかして彩色したように顔が美しい。わりあい...
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