国際殺人団の崩壊
こくさいさつじんだんのほうかい
初出:「新青年」1931(昭和6)年5月号分量:約45分
書き出し:作者《わたくし》は、此《こ》の一篇を公《おおやけ》にするのに、幾分の躊躇《ちゅうちょ》を感じないわけには行かないのだ。それというのも、実《じつ》は此の一篇の本筋は作者が空想の上から捏《こ》ねあげたものではなく、作者の親しい亡友《ぼうゆう》Mが、其の死後に語ってきかせて呉《く》れたものなのである。亡友《ぼうゆう》Mについては、いずれ此の物語を読んでゆかれるうちに諸君は、それがどのような人物で、どのよ...