「電気風呂の怪死事件」の感想
電気風呂の怪死事件
でんきぶろのかいしじけん
初出:「新青年」博文館、1928(昭和3)年4月号

海野十三

分量:約49
書き出し:1井神陽吉《いがみようきち》は風呂《ふろ》が好きだった。殊《こと》に、余り客の立て混《こ》んでいない昼湯《ひるゆ》の、あの長閑《のどか》な雰囲気《ふんいき》は、彼の様《よう》に所在《しょざい》のない人間が、贅沢《ぜいたく》な眠《ねむり》から醒《さ》めたのちの体の惰気《だき》を、そのまま運んでゆくのに最も適した場所であった。それに、昨日今日の日和《ひより》に、冬の名残《なごり》が冷《ひ》んやりと裸体...
更新日: 2019/03/29
450cf3d586a0さんの感想

電気風呂での感電騒ぎから始まる奇妙な連続殺人。 大部分で一連の事件が起こるさまを細かく描写していたのに対し、犯人の発覚に至るまでの流れはかなり雑な印象を受けた。犯人も設定が後付けというか、盛り込み過ぎていて正直あまりスッキリはしなかった。 しかし、活動写真という言葉が使われていたような時代の作品と考えれば、現代と比べて少々首を傾げたくなる展開も已む無しなのかなと思った。