女房の屍体を懸命に溶かす男。隠蔽せねばと行動するも、殺すつもりはなかった!と結局自白(自爆)してしまうのは罪を裁かれたいからか?ふと気づくと隣には女房が居て、笑っている。ああ自分は殺しては居なかった?いや殺した女房の隣に自分が居るのだ、それは即ち。 台詞で始まる展開といいオチの二段構えといい推理小説という系統もあいまってか昭和初期ともなると大分現代的に感じられた。著者が日本SFの始祖とは知らなかったが謎を追求するという点でSFと推理小説は一致する。
女は怖いね。自分を殺した夫の罪を、白日のもとに晒さないではいられないもの。
女房を殺して、死刑になって、あの世で再会して、女房は生きてたと誤解し、女房からあなたも死んだのよ、ホホホホホと笑われ、恐怖におののく夢の話。
女房殺しの男が、女房と並んで歩いている。そこは一体どこか?