「鶴は病みき」の感想
鶴は病みき
つるはやみき
初出:「文学界」1936(昭和11)年6月号

岡本かの子

分量:約71
更新日: 2024/04/23
19双之川喜41さんの感想

 かの子は 芥川に 対して 「彼は 稀に見る 稚純(ちじゅん)の士で ありながら 作風のみは 大人君子の 風格を 学び 備えている ために それらの 二者の 間隔や 撞着(どうちゃく)矛盾が 芥川に 接する者に 誤解を 与える。」とする。避暑地での かの子の 止宿先が 偶然にも 同じで在ったこともあり 芥川龍之介と 高踏的な 文学論を 交わしたりした かの子は 芥川の 表の顔 気を抜いた面をも 知ることになる。病んでいく鶴を 画家である 夫と共に 身近に 目撃したのである。鎌倉での 生活は その意味でも 充実したものと 想った。本作品は かの子の 出世作の ようだ。

更新日: 2022/01/27
阿波のケンさん36さんの感想

芥川龍之介との親交のあった作者が彼を評して 稀に見る稚純でありながら作風のみ大人君子の風格を備えている と、そしてその葛藤が彼に対しての誤解となっていると。