コント程度の内容なのでちゃんとした小説に成立させるのは元々無理なのだろう。思いつきをメモしたものを会話劇にして体裁を整え、脱力のオチを付けた悪戯を作者が楽しんでいるように受け止めた。
最後の終わり方が面白くてすきだな
この小説読んでみたい! 恋愛はたしかに人生を幸福にするけど、ドラマチックに思ってるのは片方だけとかよくある話。
芥川なりの、フォーマットが固まってしまっていて想像力に欠ける恋愛小説への皮肉だと思った。 漫才みたいな展開もなかなか面白いです。
実際閑人のお遊びですね。せっかく好きな人と一緒に成ったのですから最後まで添い遂げましょう。育った環境が違うのですから、考え方の違いは当たり前、無理ならさっさとさようならしましょう。それも老醜になるまえに。夫婦は敬愛でなければ楽しくありません。
文量も少なく、さらっと読み終える事ができました。 少女コミックスの冴えない女主人公がイケメン達と突然にハーレム高校生活を始めたり、パンを加えた女の子がぶつかった相手が転校生で再開したりとかそういう、所謂あるある設定が気色が違えど小説内の耳隠しの女性や公爵の息子?のように当時もあったのでしょうか。芥川さんが、この話を通して現実なんてこんなもんだよって読者に諭したかったのか、恋愛至上主義?に対する皮肉か、盲目だった故に寂しい人生に楽しみを与えてくれる叶わぬ恋について書きたかったのか分かりませんが、初恋とか恋愛まで発展しなかった関係とか、あの頃モテてたなっていう思い出は思い出す度に確かに幸福にしてくれる気がしました。
読了(2022/03/30 05:15:06) 夫人は勘違いの空虚な恋愛とともに生きていく。 商業的な恋愛至上主義への皮肉。 実際の恋愛では女はマリアでもクレオパトラでもなく、ご都合ハピエンは実現性が低く、悲劇の恋を再現する者は陳腐にすぎる。 ピアノが弾きたかっただけ展開は途中で読めた。 公侯が少なく伯子が多い現象は作者の想像力の壁現象?この時代もあるあるだったのか。 令和の時代は一周回ってアンチ恋愛脳の公爵令嬢もの恋愛小説が一部界隈で流行ってますよって言ったらどんな顔するだろうと想像すると、ちょっとおもしろい
不倫をするかもしれなかった男が作品中、もっとも不幸でかわいそうです。 小説といった情報媒介に恋愛のある片面を見せることが禁断とされていたんでしょうか、それを対話で掲載させたという意表をついた作者の技が見事です。 今でも不倫されたくなければ、妻と一緒に転勤すべきですね。妻の悪事を防げます
チト理解できない。
女の高慢なうぬぼれに、いつか手痛い痛打を浴びせたい、と芥川龍之介は考えたのだろうか。 この小説は、女たちの描く身勝手な恋愛の絵空事を苦々しく思う男の嫌悪感と、女たちが、その恋愛という絵空事の承認を男に無理強いしようとする身勝手さへの反発がテーマなのだが、たちが悪いのは、その彼女たちが強制するイメージの押し付けをどうしても拒めない弱味が、男の側にあることだ。 女たちは、たぶん自分の肉体が、メンタルな担保を必要とすることなしに男たちを魅了し、快楽の淵に誘い、性的欲求の少なくとも半分は充たすために十分に有効であることを承知している。 しかし、それは、あくまでも対等なフィジカルの「欲情の処理」のはずなのだが、彼女たちは、そのシチュエーションをあくまでも「被害者」ふうな立場を堅持することによって、優位性を保とうとすることを忘れない。 男女の肉体的な能動と受動の機能の微妙な違いが、ゲームのような駆け引きを生じさせ、果ては金銭で売買されるマーケットまで生み出すパワーまで有している。 この小説は、人質にとられた男たちの「欲情」を女たちから取り返す稀有な物語といえようか。 まあ、評判は悪かったとは思うが、芥川龍之介が、なにに対して闘いを挑もうとしていたのかを知ることのできる作品であることは評価できる。
最初から最後まで、よく考えてつくられている。
いわゆる普通の恋愛小説とは違って、芥川龍之介が趣向を凝らしている。恋愛には、高い理想がつきものだが、現実にはこんなものかなあといった感じ。
例えるなら、とある作家さんととある人の対談コラムみたいなノリのお話し…ひねくれ作家さんは大真面目なんだけれど…最後まで読んだらブラックジョークっぽい印象になった
思いがけない展開が面白くて思わず最後まで読んでしまう。独りよがりの滑稽さや人生の幸不幸の定めがたさを感じる。文章も無駄なところがなく、読んで損のない、エンターテイメント。
短編で読みやすく、やや意外性のある結末で良かった。 こういう考えの恋愛至上主義もありなのかも知れない。
主人·妻·若い男性の三角関係の話で、二人の会話で成り立ってる小説。そばに自分も参加してる気分で、どんどん話が聞きたくなって頁が進みます。
作家との打ち合わせだけで、一気に恋愛小説を読んだ?そんな感じ。
恋愛の「至上」とはなにか。至上とはこの上ないという意味。この上ない恋とは、と思いながら読み進めると、確かに至上。けれど、恋は盲目とはよく言ったもので、他人から見たそれは至上とはたして呼べるのか。 え、と声が漏れるような、短くも鳩尾を刺すようなお話でした。
対談式で物語が進んで行くのに、ここまで生き生きと情景が思い浮かぶ物は初めてです。対談式というのも有るかと思いますが、文面が現代的に感じられ、共感出来る部分も多々有ります。出会えて良かったです。
(あまり本を読まない自分の感想ですが、) 面白かったです。