「鬼の話」の感想
鬼の話
おにのはなし

折口信夫

分量:約13
書き出し:一おにと神と「おに」と言ふ語《ことば》にも、昔から諸説があつて、今は外来語だとするのが最勢力があるが、おには正確に「鬼」でなければならないと言ふ用語例はないのだから、わたしは外来語ではないと思うてゐる。さて、日本の古代の信仰の方面では、かみ(神)と、おに(鬼)と、たま(霊)と、ものとの四つが、代表的なものであつたから、此等に就て、総括的に述べたいと思ふのである。鬼は怖いもの、神も現今の様に抽象的な...
更新日: 2023/04/11
ハルチロさんの感想

古神道、仏教、神社神道における“鬼”と“神”の融合ーー混同ーーが、今の神楽、能、狂言ーー芸能ーーに通じているのは、面白いです。確かに、現代において「おに」は、恐いもの、異形のもの、とされており、「悪い」ものとされます。しかし、地方によっては、「おに」を「かみ」や「せいれい」と認めて、畏敬、豊穣をもたらす象徴として、祀っている処もあるようです。もう少し、研究してみたくなりました。