「足相撲」の感想
足相撲
あしずもう

嘉村礒多

分量:約12
書き出し:S社の入口の扉を押して私は往來へ出た。狹い路地に入ると一寸|佇《たゝず》んで、蝦蟇口《がまぐち》の緩んだ口金を齒で締め合せた。心まちにしてゐた三宿《みしゆく》のZ・K氏の口述になる小説『狂醉者の遺言』の筆記料を私は貰つたのだ。本來なら直に本郷の崖下の家に歸つて、前々からの約束である私の女にセルを買つてやるのが人情であつたがしかし最近或事件で女の仕草をひどく腹に据ゑかねてゐた私は、どう考へ直しても氣...
更新日: 2020/11/08
19双之川喜41さんの感想

 滅茶苦茶な 生活破綻作家のところに 毎日 通い詰めて 何しにで張るかは 良く判らないけど 足で蹴り合い 脛(すね)が火傷のように痛み それでも 先生の苛烈な高ぶった心魂に 私淑(ししゅく)している。 文学修行は 脛(すね)が丈夫でないと つとまらないと感じた。