白い紙に 黒い字で 記したものが 歴史であると 断言する人も いるらしい。 古本屋の古書を まるごと 一軒分 買い込んで 剣豪小説の種本とすることで 名を売った作家もいた。 虚実の 隙間を楽しむ度量(どりょう)が 必要かと思った。
西郷さんが城山の戦いで死んだのは実は嘘で、ほんとは生きてるのです!しかもこの汽車に乗ってます! という法螺をふく謎の男性の話、 まぁ、主人公の同じ大学の歴史の先生だったわけですが、しかも西郷さん生存説も実は嘘で、そっくりさんだっただけですが。 歴史を調べる、記録する、という作業には、その記録者の主観がはいる、記録のディテールを自分の判断で取捨選択するから。という、史学の奥深さを書いてるところは興味深かった。