芥川の羅生門以外の小説を読んでみようと思い、題名のインパクトに釣られて読みました。 天使と悪魔、この頃から居たんだなぁとかタイトル回収が微笑ましくて、良かったです。 上さんと、檀那さんのやり取りも、なんだか目に浮かぶようでとても和やかな気持ちになりました
まさかタイトルの回収がこんな形になるとは思わなかった。一人の女性が強くなる瞬間を見たような気持ちになる。
芥川の私小説は文が明瞭で平凡な内容でも面白く読めますね。 途中で挟まれる心中の悪魔の表現がいかにも私小説らしくて良い。 最後のオチは「女」を彷彿とさせる感じ。やはり芥川は自身の経験からも、母親にある種の恐怖と神秘性を見ていたのでしょうね。
こういう古い文体は読みなれていなかったのですが、短いお話なので読みやすかった。 あばばばば、というタイトルが不思議だけれど、その言葉の大胆さが物語の内容をよく表していて良かった
男から見た、母親になる女の変化ってこうなのかな?と思う。
女から母に変わる様子を描いている。 接客を通して、もの知らぬ店員の女が客である主人公のオーダーに答えることが出来ず、弄られることで顔を赤らめたりして可愛らしい仕草を素で見せる。 主人公は弄るのを楽しんでいる。 一方、女をしばらく見ないと思えば、母になっていて路上で赤ん坊を激しく、恥じることなくあやす様をみて、女から母親に変わっちまったなぁ。 という、女性の心理と男の切なさが表現された作品。 個人的には恥じらい、いじりは好きだが、母として子をあやすのに恥も何も無い姿も好きである。 恥を捨てたとたん、自分に恥じる事ない=男として見られない。 子供、旦那の為に生きる女として映り、好意のある女がそうなると切ない。
主人公が意地悪いがそれがこの話を良いものにしている。 タイトル回収も微笑ましく読みやすかったです。
微笑ましいけど、主人公が意地悪くて。 ほかの作品では鋭い心理描写が、今作では浅いのもいまいち。
タイトルの回収が微笑ましくて好きです
読了(2022/03/30 04:15:32) 主人公をあまり好きになれない。 微笑ましい夫婦に心和む一方で顔を顰める独り者の面倒さ、覚えが無いわけではないが醜い。 反応がかわいいからといってお話したいがためにわざと微妙なクレーム対応させるのはやめようね。 娘らしい初々しさを表に出さないくらい強さを得た母としての女 保吉が変化のない生活を送る中で女の大きな変化が鮮やかに残る。 自分の知らないところでの変化、自分は女の人生においてただの通行人でしかないという現実、一抹の寂しさ 女は母としての一面が多くなっただけで娘の一面を失ったわけではないと思う。 ただ、女が通行人に全ての面を見せるわけもなし、通行人も表層的な部分でしか女を見ていない。
男から見たら、母親になるとはこんな女の変化なのかと思う。
わかりやすいテーマ、かつ、ほほやましい日常の取り合わせで読みやすい。
どんな有りふれたような光景も、シンプルに料理してしまうのは流石だ。他にも観察眼の鋭い作家はいるだろうが、芥川ならではの手法を感じる。
題名につられて読んだ作品。 最後に題名の意味がわかったとき、それか!とちょっと微笑ましかった。 再現された店内を実際に見てみたいと思った。
ふーん。綺麗に纏まっているいい話だ
あばばばばばば、ばあ! 一子たび子の為になつたが最後、古来如何なる悪事をも犯した、恐ろしい「母」の一人である。
一つ一つの描写がとても丁寧で目から文字を飲んでいる気さえする位読みやすく自然と感情移入していました。短い間でもノスタルジーな気分に浸れて面白かったです
うぶな娘が母になる瞬間を描いた作品。短いながらも秀作。タイトルがきれいにはまっていてよい。
煙草屋(雑多な店)にて、無愛想な主人の嫁がいる。その19歳程の若い娘は、接客が苦手なようで、頬を赤らめては四苦八苦している。主人公の保吉は猫のような顔の可愛らしい娘の為に店に通ったが、何ヶ月か姿を見せず、次に会った日には赤子を抱いていた。そのあやす言葉が題名の「あばばばば」である。目をじっと見つめたら、また赤面するだろうと思っていたら、母になって精神が強くなったのだろう、堂々としていた。保吉は、娘から母親になり変化した様を見てぼんやり空を見上げる。
彼女の行動の振る舞いや仕草で人生の経験の差などが感じられたが、彼女が子どもをあやしている場面で彼女が大人の女性に成長した速さやたくましさに驚いたように感じました。