「橇」の感想
橇
そり
黒島伝治
分量:約30分
書き出し:
一鼻が凍《い》てつくような寒い風が吹きぬけて行った。村は、すっかり雪に蔽《おお》われていた。街路樹も、丘も、家も。そこは、白く、まぶしく光る雪ばかりであった。丘の中ほどのある農家の前に、一台の橇《そり》が乗り捨てられていた。客間と食堂とを兼ねている部屋からは、いかにも下手《へた》でぞんざいな日本人のロシア語がもれて来た。「寒いね、……お前さん、這入《はい》ってらっしゃい。」入口の扉が開《あ》いて、...
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更新日: 2022/09/04
鍋焼きうどんさんの感想
シベリアでの兵役で感じた戦争の欺瞞がストレートに書かれていて衝撃的だ。おそらくこれが現実なのだろう。現実の持つ力に圧倒させられた。
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