「海賊と遍路」の感想
海賊と遍路
かいぞくとへんろ

黒島伝治

分量:約6
書き出し:私の郷里、小豆島にも、昔、瀬戸内海の海賊がいたらしい。山の上から、恰好な船がとおりかゝるのを見きわめて、小さい舟がする/\と島かげから辷り出て襲いかゝったものだろう。その海賊は、又、島の住民をも襲ったと云い伝えられている。かつて襲われたという家を私も二軒知っているが、そのいずれもが剛慾で人の持っているものを叩き落してでも自分が肥っていこうという家であったのを見ると、海賊というものにも、たゞ者を掠め...
更新日: 2024/04/30
19双之川喜41さんの感想

 その昔 瀬戸内海の 海賊は 上陸して来て 民家をも 襲ったりしていたらしい。黒島(著者)は 実際に 襲撃された家を 二軒も 知っていると言う。ただ 海賊には 義賊のような 面も 在ったようだ。鬼ヶ島と される 小島が 御遍路のみならず 人集めに 役立っていると言う。島人達は 蜜柑を 籠に入れて 道端に 置くけど 金を 誤魔化す 旅人は 居ないわけでは ないとして 嘆いて見せる。食い逃げに 罰「バチ」が 当たったり するかもしれないと 想った。