雙喜 ある町の 屠者(としゃ)を していた男は 仕事の かたわら ネヅミ遣(つかい)もして 乞食と 同様の 生計を 立てていた。その屠者には たまたま 仙人となる 機会が 訪れ たので 貧者に 金を与えたりして にわかに 金が自由になると 驚くほどの 施しをして かえって 金を 貰った者を 仰天させた。乞食は その仙人から 金を貰ったことを なかなか 人が 信じては くれないので もらっておいた 怪しげな 書き付けを 皆に 見せて 仙人の存在を 強調して 見せる。少し だけは おもしろいとは 感じた。
芥川さんの「仙人」が3種類あることにビックリ。 「青空朗読」できいた作品の「仙人」を文字で確認してから感想書こう、 と思ったら動作不具合で書き込めず。 芥川さんの他の作品の表現傾向と比較して、漢文の雰囲気と厳かな品が漂う本作が一番芥川さんっぽいことが影響しているのかも。 屠殺(判官の仕事の揶揄?)の影響で死ねなくなったのを仙人と称している印象も。 主人公がいう鼠も何かの投影っぽい。 映画「グリーンマイル」のトム・ハンクスさん演ずる死刑執行人とネズミの寿命が伸びたのと類似の相関・因果の雰囲気。 上には上が、下には下が。 四句の詩句には死苦の沼奥深そう。