「仙人」の感想
仙人
せんにん
初出:1922(大正11)年

芥川竜之介

分量:約9
書き出し:皆さん。私《わたし》は今大阪にいます、ですから大阪の話をしましょう。昔、大阪の町へ奉公《ほうこう》に来た男がありました。名は何と云ったかわかりません。ただ飯炊奉公《めしたきぼうこう》に来た男ですから、権助《ごんすけ》とだけ伝わっています。権助は口入《くちい》れ屋《や》の暖簾《のれん》をくぐると、煙管《きせる》を啣《くわ》えていた番頭に、こう口の世話を頼みました。「番頭さん。私は仙人《せんにん》にな...
更新日: 2023/03/03
白川千秋さんの感想

最後は、ドギツイ描写を避けて省略することでかえって人間の残酷さを示しているような気が。 人間というより地域性の問題か? 特に西洋医療は、自分ではない他の人間の死苦に対する試行錯誤の蓄積で成り立つような商売だしね。 寒山拾得のブカンさんのようにはいかない。 元は、えらい人の毒味役で自ら人体実験台だったような話もなかったっけ?

更新日: 2021/03/06
19双之川喜41さんの感想

 ブラック医者のはしりです。 なんせ 二十年間 無報酬で仙人志望の純朴な権助を 酷使したのですから。 耐えた権助は 偉い。 淀屋辰五郎の名は 何しに出てきたのかなと思った。