権助は、書いてあることを文字通りに読み、人が話したことをそのままの意味で受け取り、それを信じて疑わない。 仙人になりたいと願い、仙人になれると信じている。 あまりに真っ直ぐで、今でいうとちょっと発達障害みたいなところがあったのかな?と思ってしまうけど、私は彼がもとから仙人だったのではないだろうかと感じた。 とにもかくにも、権助の願いが叶ってよかったなあ。
最後は、ドギツイ描写を避けて省略することでかえって人間の残酷さを示しているような気が。 人間というより地域性の問題か? 特に西洋医療は、自分ではない他の人間の死苦に対する試行錯誤の蓄積で成り立つような商売だしね。 寒山拾得のブカンさんのようにはいかない。 元は、えらい人の毒味役で自ら人体実験台だったような話もなかったっけ?
ブラック医者のはしりです。 なんせ 二十年間 無報酬で仙人志望の純朴な権助を 酷使したのですから。 耐えた権助は 偉い。 淀屋辰五郎の名は 何しに出てきたのかなと思った。