「死体蝋燭」の感想
死体蝋燭
したいろうそく

小酒井不木

分量:約13
書き出し:宵《よい》から勢いを増した風は、海獣の飢えに吠ゆるような音をたてて、庫裡《くり》、本堂の棟《むね》をかすめ、大地を崩さんばかりの雨は、時々|砂礫《すなつぶて》を投げつけるように戸を叩いた。縁板という縁板、柱という柱が、啜《すす》り泣くような声を発して、家体は宙に浮かんでいるかと思われるほど揺れた。夏から秋へかけての暴風雨《あらし》の特徴として、戸内の空気は息詰まるように蒸し暑かった。その蒸し暑さは...
更新日: 2021/05/19
0036fe27d072さんの感想

嵐の晩てっきり小坊主は和尚に殺され蝋燭にされると読者に思わせるが最後にドンデン返しというお話し。

更新日: 2020/05/28
ジャンボさんの感想

不気味なタイトルに、嵐の夜に和尚が語る猟奇的な告白、オチがキレイに決まってお見事。

更新日: 2017/02/25
ひずみんさんの感想

自分の罪悪を告白する和尚様に、さて法信はどうするのか。たとえ作り話だったとしても、阿弥陀如来様の前で、自分の命のためなら人殺しでもしますと言ってしまった法信は、これからも仏の道を歩んで行けるのだろうか。100年近く前に書かれた作品とは思えないほどおもしろかった。