素敵な奥さんだな……
最初読んだときはなんだか芥川竜之介っぽくないというかなんともない話に見えた。しばらくして改めて読み直すとなんだか生々しいものを感じた。
鵠沼海岸で 蜃気楼が見えるというので 見物に行く。 あまり明瞭に観ることはできなかったけど 新時代の男女に行き交ったり 水葬に使ったらしい木札を拾ったりする。 見えるはずがないものが見えたりで 不思議な気分で帰宅する。興趣があると感じた。
何となく息切れが感じられる作品だ。内容は日中友人二人と三人で海岸を散歩した。夕刻にまた友人と妻と三人で散歩したっていう他愛のない内容なんだけど、それだけの内容なのにある種の息苦しさを感じてしまうのだ。 この作中に出てくる『新時代』という言葉、何故かこの言葉には、作者の遺書にあった『ぼんやりとした不安』に相関するものがあるのではないだろうかという気もする
物凄く面白かった。妻はo君のことがすごく気にいったのだろうか