「家」の感想
いえ

02 (下)

02 (げ)

島崎藤村

分量:約396
書き出し:一橋本の正太は、叔父を訪ねようとして、両側に樹木の多い郊外の道路へ出た。叔父の家は広い植木屋の地内で、金目垣《かなめがき》一つ隔てて、直《じか》にその道路へ接したような位置にある。垣根の側《わき》には、細い乾いた溝《みぞ》がある。人通りの少い、真空のように静かな初夏の昼過で、荷車の音もしなかった。垣根に近い窓のところからは、叔母のお雪が顔を出して、格子に取縋《とりすが》りながら屋外《そと》の方を眺...
更新日: 2020/11/11
19双之川喜41さんの感想

 確かに 最高峰に位置する作品とはおもう。 ただ 大規模に 故郷ごと根こそぎに無くなっている震災を目の当たりにすると 曖昧で 徹底せず 拡がりに乏しい『家』でさえも 無くなって知る家の恩と感じてしまう。