少年時代の保吉の想像力の豊かさと、また、物事の本質を真摯に受け止める純粋さに心ひかれます。 海は青色ではない。確かにそうだ、と思わず頷かずにはいられませんでした。海水浴に行ったことのある人間ならばわかることであると本文中にも言及されていましたが、確かに海水浴で近づく海は遠くは青くとも、間近なところは青くはないのです。 少し考えればわかることなのに、不思議と言われるまで気づかない、海は青いものと思っている、なんだかはっとさせられた心地でした。 保吉少年の不幸は、彼の見出だした真理は常識に適わぬと大して周りが深く受け止めてやらなかったことのように想いました。