一見ありがちな自堕落な酒と女をテーマに、足袋と蝋燭により、夜半から朝への時間の経過と気持ちの変化、そして書かれていない菊ちゃんの関係性に想像が膨らむ。 それにしても仕事場とは。
きれいな落ちにこだわる太宰作品のなかでも、相当あざやかに決めることができた上質に仕上がった作品だと思う。 読後感は、とても爽やかで、高まる欲情を夜を徹して懸命に抑える太宰の様子に殊更な善良さを感じさせるので、尚更ユーモラスでおかしく、不潔感はまったくない。 シチュエーションとしては、酔っていたからこそ尚更、結婚前のお嬢さんに手を出さなくてよかった、「ホント、危なかったねえ」というところで無難に収まって安心して笑える作品に仕上がっていて、いい作品には違いない。 しかし、この作品の爽やかな読後感が、太宰の想定したものだったろうか、これだけの落ちでは、なにか物足りないような気がしてならない。書き足らなさを感じてしまうのだ。 酔った男の傍らで身を固くして横たわり、暗闇のなかでじっとしているキクちゃんの気持ちが、その生々しい肉体を含めて見えてこないような気がする。 キクちゃんが自分の婚約者のことを太宰に話す場面がある。 無関心な男に対して女は普通むやみに自分の婚約者のことなど話さないものだ。 自分の気持ちに踏ん切りのつかない迷いがあって意見を求めたがっているか、目の前のその男に気があるかのどちらかだ。 この小説のなかでは、キクちゃんは、明らかに以前からずっと太宰に好感を持っていて、もし機会さえあれば、身を任せても構わないと思っていると読み取ることができる。 太宰ほど相手の顔色を読むことの巧みな男が、この小説では、不自然なくらいキクちゃんを無視している。せいぜい見開いた目をぱちぱちさせるくらいの観察しかしていない。 この小説に対する物足らなさは、たぶん、この観察不足と書き込み不足にある。 すでに僕たちは、「眉山」や「黄金風景」という傑出した作品を知ってしまった。
ドキドキした!!٩(Ü*)۶
面白かった
最後までどうなるかわからなくてドキドキしました。 こんなに短い作品でこんなにスリリングを味わえるなんて! 好きな作品の一つになりましたっ。
またひとつ 罪を重ねるのを 辛うじて免れた。 良かったような 残念なような気もすると 思った。
自分の意思ってものがないのかしら。面白かった。
キクちゃんの部屋は四畳半かな、?これが、太宰先生の『朝』……
あっけないような肩透かしを食らったようなもったいないような安心したような、不思議な感情を見事に表している
15時まではすごく規則正しい生活なんだが…笑
Yopparatta otoko wo ieni ageru onna nante imadoki irunodarouka.? kikutyan ga abunai. Otoko tositeha honne darou. Ippo matigaereba ero syousetu ni natteita darou.
恐らくご自分の経験に基づいていると思うのだが、こういう小説は、太宰大先生にしか書けない。と言うか、彼の息づかいを感じる。好きだなー。
もてるんだねこの人は。