最後の鉤括弧の中のセリフ、沁みすぎるだろ
広く内外に 言わば 療養所文学のようなものは ないとは言えない 。 敗戦を背景に 安堵感(あんどかん)が 先行しているので 軽い仕立てでも 余計に 先の見えない 深刻さが きわだつと感じた。
新しい男か。自分も新しい者になりたい。 これもまた修行みたいな表現あったかな?この考え方に救われる。失敗を恥ずかしく感じるのはいいが、そこから学ぶことで、また一つ修行とできるし、新しい者に生まれ変われる。懸命に生きた向こうにかるみがあるのかな。 太宰って人間のドロドロしたところというか、根暗な話を書くのが好きなのかと思ってたけど、コメディもあるんだね。森見が影響を受けているのに頷けるかも。
意味不明。先生の作品なので読んでみたけど。
戦後の若者の考え方というものが的確で多彩な表現を持って語られており、新鮮に感ぜられた。
久し振りに爽やかな読後感を得ました。
これまで読んだ本のなかでも一番といって良いくらい面白い作品でした。 太宰先生の作品を読むたびに思うことは、そこに時代の壁が存在しないということ。だからこそこの人の作品は今でも多くの人に影響を与えているのでしょう。 夏になるたびに読み返していきたい、私にとって大切な作品になりました。
執筆された期間というのが、敗戦という大きな変化が日本社会の屋台骨を揺るがした時期である訳だ。その中で太宰が望んだ日本人の方向性というものが、主人公がしきりに新しい男と述べて希求している姿であったり、同室にいる大詩人の自由思想についての言葉であった訳だ。またその中で『新しい男』と大上段に構えながらも、看護師と他の患者とのやり取りに嫉妬しながら、強がりを言ったり、医院長と結婚する看護師に動揺したりするような弱さを見せるなど、一種の滑稽味みたいなものもありで面白かった。
私も「新しい男」になりたい。もしくは、ひばりとその友人に思われる程に清廉潔白な竹さんになりたい。そう思った。 とりわけ、中盤のつくし殿の手紙が一番、心に迫ってきた。
文が手紙の形式で戸惑いましたが、内容は面白く、楽しめました。