姿は見えぬが、歌声に恋心。 ロマンチック。
鶏群の一鶴、声で惚れるほどいい声だったのだろう。そんな人に会いたい。
白いレインコートを「白梅かと思った」というのが美しい物の見方だなという気がした
こうやって音をきいて作品作りを続けていたのか…。 ちゃんと感じて、生きて、産み出していたんだな…。
甲府へ降りて、仕事をしながら女工さんの唄声に救われた、「私」。なんだかほっこりした気分になった。「私」もなかなかに面白い人であり、「ちがうだろうね」に違うんかい!と、最後の最後に突っ込みを入れてしまった。姉弟のやりとりに優しい気持ちになる。甲府はとてもよい場所だと思えた。
女工の弟が 英語を学び 懸命に自己実現に努めていることを 寮の塀の外から 姉に告げる。 感動的な 場面と思う。 太宰の 悶々とした日々が重なるようにも 思えた。
切な言葉が持つ力とユーモア……。
するすると情景が頭に浮かんできた。 そこに息づく人々の姿を見下ろし、眺めている。女工の歌に彼女達の知らないところで励まされているというところに、なんとなく共感を覚える。
細部に宿る主人公の男の心根というべきか、そういうものが如実に伝わってくる。
とにかく書かねば東京には帰らないと宣言し、一人執筆に勤しむ太宰が、糸製工場の女性達が歌う歌声に癒され、手紙でも送ろうか?いや迷惑かな、と思っていた晩に、泥酔した青年(弟?)がI can speak English等たどたどしい英語を話しながら製糸工場に勤める「姉ちゃん」に話かけていた。その姉は、綺麗な歌声のあの人か?いや、違うだろうなぁ…という話。太宰が原稿に追い込まれている中で、生活の一部を素直に切り取った実話だろう。歌声に、ひと時の感動を胸に抱き、原稿の助けとなり感謝した、という素直で優しい太宰の人柄が窺える。
短いので、朝早く目覚めて暇な時間に読みきることができた。 内容も分かりやすい。
短いので読みやすいのがありがたい。太宰の初期の作品だそうで。軽やかでほっとする内容でした。
女工さんに話しかけに行くことも躊躇い、投文することすらできずに悶々としていたところ、弟は女工さんに英語で「英語も話せるよ」 いくら姉と弟といえど、少なからず弟に嫉妬をしたのでは? なにか行動を起こしておけば、優しく迎え入れてくれたかもしれない。
何となく、深い感じがしてならない。 読み直し必須。
瑞々しい情景が浮かぶようで良い。
「出征」とあるが戦争の名前は? 太平洋戦争であれば敵はアメリカ也。 しからば、「アイキャンスピーク」とは適性語也 態態、習っているとは非国民也 酒に酔って、英語で叫び姉上にくだを巻く。「俺らは、英語くらい喋れるさ!エヘン。」 アメリカさんがそんなに偉いんかい? 姉さんも騙されちゃいけません。アメリカ野郎に惚れちゃいけません。 I can speak English.Can you speak Japanese?
出だしは歌詞みたいだし、最後のたぶん違うねの感じが突き刺さってきて私好き
タイトルに惹かれて思わず読んでしまった。この甲府に降り立った人物は太宰本人なのかな、と勝手に考えている。
なんともいえない読了感。物寂しくもあり、切なくもある。とても面白かった。
短いのが良かった