思春期の女性を 描いた 太宰の名作が あるけど 本作品は 其の 男性版に 思えた。 受験生活の挫折 蹴球部の描きぶり 母の介護の様子が 劇団員に合格するまで 日記で紡がれる。 時に 酸鼻 時に 哄笑する。
なんて清々しい!
主人公は自分を卑下しつつも、内心では高尚だと思う若さ。ニヒルぶった少年。 端から見れば鼻持ちならないタイプだろう。 読み込むほど主人公に嫌みな感じを覚える。 若き日の太宰氏自身の投影だろうか。
役者の道に進むために行動に出たところから一気に読み進めました。 希望のみえるきれいな終わりかたで読後感の良い作品でした。
もうちょっと、落ちの部分が長く書いてあったら面白かった。最期が単調だった。