「俊寛」の感想
俊寛
しゅんかん
初出:「中央公論」1922(大正11)年1月

芥川竜之介

分量:約53
書き出し:俊寛《しゅんかん》云いけるは……神明《しんめい》外《ほか》になし。唯《ただ》我等が一念なり。……唯仏法を修行《しゅぎょう》して、今度《こんど》生死《しょうし》を出で給うべし。源平盛衰記《げんぺいせいすいき》(俊寛)いとど思いの深くなれば、かくぞ思いつづけける。「見せばやな我を思わぬ友もがな磯のとまやの柴《しば》の庵《いおり》を。」同上一俊寛様の話ですか?俊寛様の話くらい、世間に間違って伝えられた事...
更新日: 2023/12/24
鍋焼きうどんさんの感想

「藪の中」の如く、語られる数だけの事実があり、しかもどれが真実かは分からない。今の世でも様々な事件が、真実も分からぬままに憶測ばかりが拡散されている。

更新日: 2015/07/06
80a6b5c171cbさんの感想

芥川俊寛は、なんだろう? 鬼界ヶ島にいても僧侶のまま、たった一人でそれなりに満足している。仏教の教えらしいが自分の住む所は即ち浄土であると言う。どうやら本当に満足しているらしい。山にこもる修験者の心境か。とは言え、理窟(能書き)が多過ぎて、純粋ではない。自分の人生をななめに楽しんでいるという感じ。なにか、俗な感じがする。 菊地俊寛の爽やかさや筒井俊寛の鬼畜ぶりの方をかう。しかし、もっともありそうな俊寛像ではある。