「正直ノオト」の感想
正直ノオト
しょうじきノート
初出:「帝国大学新聞 第七百六十六号」1939(昭和14)年5月15日

太宰治

分量:約4
書き出し:正直に言うことに致しましょう。私は、これから書こうとする小説、または、過去に於いて書いた小説の意図、願望、その苦心を、あまり言いたくないのです。それは、私の虚傲《きょごう》からでは、ないと思うのです。書いてみて、それが相手に受け入れられなかったら、もうどう仕様もないことですし、これから書こうと思っている小説を、どんなにパッションもって語っても、いまのところ私は、そんなに優秀の大傑作、書けないのが、...
更新日: 2019/11/04
19双之川喜41さんの感想

 芸術に 功利を求めるのは  病弱者であると  正直に 太宰は 言ってのけるけど これは鉄則か 原則か を 吟味する必要は あると思われる。 溺れる者は 藁をも掴む と言い 藁の矜持も また否定できない。 実は 太宰は 強者の理論を  弱者に押し付けているのではないか。

更新日: 2018/08/12
いちにいさんの感想

「嘘つき」は小説家の始まりである。 従って、小説家は泥棒である。 読者の心を盗む。読者の悩みを騙す。 それなのに、この作家先生は「正直」ノオト、などとクダラナイ題名を付けて、平気で「嘘」を言う。自分の妄想癖を正直者と錯覚し、精神障害をやっちまった。 傑作を書いていない?だと! 危ない、危ない! 騙されるところだった。 クレタ人は嘘つきだ、とクレタ人が言っているようなものだ!