「新茶のかおり」の感想
新茶のかおり
しんちゃのかおり

田山花袋

分量:約4
書き出し:新茶のかおり田山花袋樹々の若葉の美しいのが殊に嬉しい。一番早く芽を出し始めるのは梅、桜、杏などであるが、常磐木が芽を出すさまも何となく心を惹く。古葉が凋落して、新しい葉がすぐ其後から出るということは何となく侘しいような気がするものである。椿、珊瑚樹、柚子、八ツ手など皆そうだ。檜、樅は古葉の上に、唯新しい色を着けるばかりだ。竹は筍の出る頃、其葉の色は際立って醜い。竹が美しい若葉を着けるのは、子が既に...
更新日: 2025/08/16
艚埜臚羇1941さんの感想

  その頃は 生け垣に 茶の木を 巡らし 焙煎の 真似事の 新茶 仕立てを 愉しむ 人は 普通に いた。団子状に 茶葉が 固まって しまうので それを 解きほぐしながら 長い 時間を かけて 琺瑯で 仕立てる。飲用の 後に つくだ煮状に して 再活用した。ある藩では 有事に そなえて 生け垣に 茶木を 植えることを 奨励した。香りは 想い出に 充ちている。