「猟人」の感想
猟人
りょうじん

津村信夫

分量:約6
書き出し:猟人津村信夫鉄砲打ちと云ふものには、よく、秋の汽車の中で出会つた。赤ら顔で、大柄な、さうして大抵、沈黙勝ちな人が多い。三等寝台のあつた頃だ。初冬の寒い夜更け、信越線の或る駅から、上り列車に乗り込むと、私の座席に、鳥打帽を被つた二人の男が坐つてゐた。一目見てすぐ猟人だとわかつたが、夥しい獲物を携へてゐた。さうして、その獲物の鳥の、足や羽根には、ところどころ雪粉がついてゐた。二人は向ひ合つてゐるが、別...
更新日: 2025/09/17
艚埜臚羇1941さんの感想

  猟が 解禁に なるのは 明日 だけど その 前日を 狙って 密猟者が 跋扈する。土地の 警官は 猟師宿を 一軒 一軒 尋ねて 怪しいものが 止宿 していないか 調べて 廻る。猟犬を ともなって くるので すぐに 露見 してしまう。道理で 車中で 獲物の 鳥の 名を 何気なく たずねたら あからさまに 厭な 顔を されたのは 内緒の 筋の フライングを 咎めて いると 勘違い されたのかも しれない。鳥も 鳴かずば 撃たれまい。