徳田秋声
著者の女関係を著したものだがその中心が葉子と呼ばれる女性。今でいう肉食女子であり会う男性をその美貌で次々と虜にしてしまう。そんな葉子に翻弄される著者。これが創作ならよくあるストーリーだが実話である。本名山田順子といい世を騒がせた人物。昭和初期と思われる風俗にも惹かれる。
作家自身の経験を下敷きにした私小説かな? 実に生々しく泥臭くそれがすごく良かった。人の日記を覗き見るような背徳感が少しある。