「忠義」の感想
忠義
ちゅうぎ
初出:「黒潮」1917(大正6)年3月

芥川竜之介

分量:約39
書き出し:一前島林右衛門《まえじまりんえもん》板倉修理《いたくらしゅり》は、病後の疲労が稍《やや》恢復すると同時に、はげしい神経衰弱に襲われた。——肩がはる。頭痛がする。日頃好んでする書見にさえ、身がはいらない。廊下《ろうか》を通る人の足音とか、家中《かちゅう》の者の話声とかが聞えただけで、すぐ注意が擾《みだ》されてしまう。それがだんだん嵩《こう》じて来ると、今度は極《ごく》些細《ささい》な刺戟からも、絶え...
更新日: 2022/02/22
19双之川喜41さんの感想

 深刻な精神障害を持つ 主君に  手を焼き  家老格は 逃げ出してしまった。次の家老は  城主から 主君を城内に 立ち入らせないように 固く申し 渡された。 しかし 禁を破り 主君を 参内させてしまい ついに 殺傷沙汰を起こすに至る。 芥川は  心を病んだ 主君の  精神状態の 描写に 並々ならぬ 冴えを見せると感じた。