「光と風と夢」の感想
光と風と夢
ひかりとかぜとゆめ

中島敦

分量:約213
書き出し:一一八八四年五月の或夜遅く、三十五歳のロバァト・ルゥイス・スティヴンスンは、南仏イエールの客舎で、突然、ひどい喀血《かっけつ》に襲われた。駈付けた妻に向って、彼は紙切に鉛筆で斯《こ》う書いて見せた。「恐れることはない。之が死なら、楽なものだ。」血が口中を塞《ふさ》いで、口が利けなかったのである。爾来《じらい》、彼は健康地を求めて転々しなければならなくなった。南英の保養地ボーンマスでの三年の後、コロ...
更新日: 2020/06/05
86907b788e63さんの感想

スティーブンソンの南の島での毎日、やっと自分らしく生きられた盧だろう。ただ、どこにおいても争いはある。哀しいね。でも、満足な一生であったろう。

更新日: 2019/11/06
b9ef941530ccさんの感想

中島敦の光と風と夢は、南国タヒチにいた白人の日記録を描いたもの。中島敦らしくない平々凡々は小説。

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 「宝島」の 作者である ステイーブンソンの 転地療法が 下敷きらしい。 芥川賞の候補であり 受賞は逃したという。 私は  中島 の作品 は 好きなので 期待が大きすぎた のかもしれない。 サモアの旅行の 下読みとしては 良いと 感じた。

更新日: 2016/06/20
9c70eee203dfさんの感想

中島敦が好きで読んだがいつの間にか、スティーブンソンに魅せられた。 下敷きは自伝なのかな。もちろん、人気作家なのだから評伝はあるだろうが、まあよく書いたものだと、これは中島敦の剛腕に驚嘆。 それにしても、スティーブンソンの天才と病弱短命は中島敦に通じているのを、本人も十分に意識していると言うか、それが動機でこの作品が生まれたのだと思う。そして、スティーブンソンの精神性の高さや一見破天荒な生きざまや行動力、なによりも、作品に大いに敬意をはらっているのが嬉しいような憐れなような。「あなたも負けてないよ」と言いたくなった。