「日清戦争異聞」の感想
日清戦争異聞
にっしんせんそういぶん

(原田重吉の夢)

(はらだじゅうきちのゆめ)初出:「生理 終刊第五号」1935(昭和10)年2月

萩原朔太郎

分量:約8
書き出し:上日清《にっしん》戦争が始まった。「支那も昔は聖賢の教ありつる国」で、孔孟《こうもう》の生れた中華であったが、今は暴逆無道の野蛮国であるから、よろしく膺懲《ようちょう》すべしという歌が流行《はや》った。月琴《げっきん》の師匠の家へ石が投げられた、明笛《みんてき》を吹く青年等は非国民として擲《なぐ》られた。改良剣舞の娘たちは、赤き襷《たすき》に鉢巻《はちまき》をして、「品川乗出す吾妻艦《あずまかん》...
更新日: 2023/12/06
61427a0b757aさんの感想

諸行無常 猛者もつひには滅びぬ 哀愁と諦めが心地いい

更新日: 2023/03/01
cbeb8d424306さんの感想

戦争に関わったある兵士の顛末を短い文のなかで強烈に描かれている。人間は環境によって造られていく。現代中国は日清戦争を民族の最大の恥辱だと捉えている。 内戦、改革、経済成長を遂げた今当時とは違う国だということ。侮ってはいけない。グローバルサウスという考え方が俄に脚光を浴びてきたように思う。不正確な情報に惑わされずつねに冷静な目を持ちたいものである。こんな作品があったのかと感心しました。