何時も同じなので 精神の安定が たもたれる人が ほとんどだとおもう。 芙美子は 一所不在 流転の日々が 日常となり そのなかでの 創作活動には 感嘆する。
何度も読み返す作品である。この生きる力! 私も頑張って生活しなきゃ! 余談だが林芙美子はこの作品と共に林芙美子がどんな人物だったのか他の方が書いている芙美子を読むと尚面白い。 まあ、悔しい思いをしたせいか性格が悪かったのは本当のようだ。 でも!市井の人からは大変な人気があり好かれている。 私はこの人の男に対する奔放さが好きにはなれない。特に最後旦那さんの緑敏がいながら他の男性との恋もあったようで、男に苦労した人の割には緑敏に対して不誠実である所がやはり苦手。そんな芙美子をまるごと支えた緑敏氏と巡り会えた芙美子は幸せものだ。 急死、後に養子の泰くんの事故死など不幸もあったろうけど、生きているうちは苦労もしたけど幸せな人だったと思う。
外出自粛の今、いろんな所に行きたいなぁという気持ちが満たされるかなぁと軽い気持ちで選んだ。『放浪記』は森光子さんの舞台で有名で特徴的なのはあの"でんぐり返し"のシーンだ。あの場面では主人公も周りもみんな笑っているし、きっと明るい話だと思っていた。 いや、実際読んでみると…辛い。 主人公は親に男に貧困、空腹に悩む。 作家という夢を持ち続けるもうまく行かず職を転々とする。放浪というのは楽しい旅ではなく、いかに独身女性が一人で暮らしていくのは困難か伝わる。 安っぽいサクセスストーリーではないところがいいのかな。いいなぁと思う場面は友情。同じように生きることに苦労してる女性が多い。まるで戦友のよう。 主人公の性格、時々人生投げやりな状態になるところが私の若い頃に似ていて何だか恥ずかしくなる。 思い出す、あの頃を。 読みながら良くも悪くも自分自身の思い出も蘇ってきた。 昔も今も読者は共感し、ドキドキすることだろう。そこがベストセラーに繋がったのかな。 物語の中でも書いている『風琴と魚の町』は尾道を舞台に書いていてこれも自叙伝のような雰囲気があり、一緒に読むことをおすすめする。私は先に読んでみたけれど、後で読んでもいいと思う。 とにかく主人公はお腹を空かしていて、好きなものを食べられる現代が幸せだと思える。
ある種の滑稽さと哀しさが混じりあった感じだ。
主人公は貧しい。若さゆえ、なんで生きて行かなければならないのか、という問の答えを探し続けている。ただ、若さゆえ、前向きなのだ。