「河沙魚」の感想
河沙魚
かわはぜ
初出:「人間」1947(昭和22)年1月

林芙美子

分量:約33
書き出し:空は暗く曇《くも》って、囂々《ごうごう》と風が吹《ふ》いていた。水の上には菱波《ひしなみ》が立っていた。いつもは、靄《もや》の立ちこめているような葦《あし》の繁《しげ》みも、からりと乾《かわ》いて風に吹き荒《あ》れていた。ほんの少し、堤《つつみ》の上が明るんでいるなかで、茄子色《なすいろ》の水の風だけは冷たかった。千穂子《ちほこ》は釜《かま》の下を焚《た》きつけて、遅《おそ》い与平《よへい》を迎《...
更新日: 2020/12/23
19双之川喜41さんの感想

 題意は 首を切られても 胴体だけは動いている魚をいう。  舅57歳▫長男の嫁33歳で 長男の出征中に 嫁は義父の子を産んでしまう。 里子の話も 立ち消えになった頃 長男の復員の電報がくる。 誰も責められない閉塞感に 戸惑うと感じた。