「獄中の女より男に」の感想
獄中の女より男に
ごくちゅうのおんなよりおとこに

原田皐月

分量:約15
書き出し:一私には暗い/\日|許《ばか》り続いて居ます。もう幾日経つたのか忘れて了ひました。此処に斯《か》うして居ると堪らなく世の中が恋しくなります。貴方の傍が……貴方の傍が……貴方はあのテーブルの上でお仕事をして被入《いらつしや》るでせう?一輪ざしの草花がもうぼろ/\に枯れたらうなんて昨夕も考へましたの。そして貴方は其ぼろ/\の花を矢張り捨てないで眺めて居て下さるんだと思つたりしてましたの。妙な事迄考へた...
更新日: 2024/09/27
0769c4b5c777さんの感想

たまたま目に入った作者の名前になんとなく惹かれ作品を読み、作者の女性のこころのうちのその発露の巧みさに惹かれました。 美しく一人の人を想う女性としての女と一人の人間としての女があって、彼女は何も矛盾していなく、正しく美しいと思いました。 大正の時代に懸命に生き死んだ作者の生き様のように美しい作品だと思います。