この「夏の花」と永井隆の「長崎の鐘」 核兵器の恐ろしさ、愚かさを伝えるために世界中の人に読んで欲しい作品です。
人が死ぬ時に、看取られないどころか、一杯の水を望んでも得られない状況、、、それをこんなに沢山作る事は、できるだけ防ぎたいと強く思った。 原爆を受けた時の個人の心の動きを、事象を丁寧に書く事で描写した短編。 重い作品だけど読んで良かった。 2021/04/02読了。
これ程清澄な文体で、阿鼻叫喚の原爆風景を描いた小説はあるでしょうか。平成末期、毎年8月に流れるお涙頂戴の戦争特番とは訳が違う。人々はただ呻き、苦しみ、嘆き、死んでゆく。ここに描かれたことはドラマではない。七十数年前、八月六日、たった一つ、文明の子原子爆弾によってもたらされた、虐殺である。
戦後73年となるこの夏、新聞でこの原民喜の夏の花が紹介されていました。小説家の体験談は克明で、地獄のような描写に辛くなりました。一瞬の行動で生死が分かれる運命、人の命の重みを感じたり、反対に人の尊厳を奪われて死んでしまったあまりにも多くの人々の儚さや悲しさを感じたり。 核は魔もの、核廃絶が進んで欲しいと願います。