芙美子が 山形屋という 旅籠(はたご)屋に 泊まると 部屋には 熊の毛皮が 敷いてあった。その皮の 上に 体を伸ばしたら 熊の背中に 跨がっているような 気がした。恐いので 寝床を 次の間に 引っ張って 行ったとある。いまでも 毛皮の 敷いてある 宿屋は 在るのだろうか。ランプの宿 なるものは 在るらしいけど 毛皮の宿は 在るのかは 分からないと 想った。
このコースには2度行っている。最初は「霧の摩周湖」が流行っていた頃。情景は手に取るように分かるが著者の同行した記者に対する態度に寒いものを感じる。
行く先々で おそらく その町の 名士であろうと思われる人が 出迎え 案内しようと 手ぐすねを引いて 待っているのが 芙美子 には 少し煩わしいようだ 。 旅情を 誘われると感じた。