大変インスピレーションを受けました。 坪内逍遙の『当世書生気質』に対抗して書かれたらしいですが、なんだか納得してしまいました。 最初の方は戯作的な文体で、物語の手綱をあっちへやりこっちへやりといった感じの、大変特徴的な語りでしたが、中盤以降、登場人物たちの感情がもつれあい過熱するにつれ、いつしか絵物語を離れ、人間の心理に立ち入っていたことを知りました。 特に繰り返される、臆病な腰を上げて階段をおり、少し立ち回って、あっという間にくよくよして、萎んでしまい二階へ退散する文三の描写は見事です。 また読んでみようと思いました。 評価は5にしようかと思いましたが、私も臆病な腹を変に刺激されて迷っているうちに4に落ち着いてしまいました。
表現が複雑で読みにくいですが、ゆっくりと考えながら読んでいけば、かなり巧みなものだと思えてきます。内容も深みがあり面白かったです
初めての言文一致の小説と言うことで読んでみたが、言葉遣いはけっこう難しい。内容は、何かストーカー男の話しのように思えるのだが…。
造語を 多用し 独自のルビを振る。 読み手の資質のせいだ と言われれば 引き下がるしかないけど 少しは サービス精神が あったら 助かるのにと 思ってしまうのは いけないことでしょうかと感じた。
二葉亭四迷の浮雲は、口語体と言っても江戸弁天、べらんめえの世界と昔の講釈師調の話し方の文体、未だ確立されていないが、現代口語文に近い文体と様々な中途半端な文体とも言える。話の内容はお勢と文三の恋愛ものか、はにかみそうとまでは言わぬが、恋愛、結婚が成就するわけでもなしい。最後は突然終わっているみたいで、何を描きたかったのか不明。
今でも通ずるところがあり笑いながら読んだ