「緑の軍港」の感想
緑の軍港
みどりのぐんこう
初出:「讀賣新聞」1935(昭和10)年7月

牧野信一

分量:約9
書き出し:いつの間にかわたしの部屋の壁には、いろいろな軍艦の寫眞が額になつて、あちこちに並び、本棚の上には「比叡」と「那智」の模型が飾られ、水雷型の筆立には巡洋艦「鈴谷」進水式紀念の軍艦旗とZ旗があつた。「比叡」と「那智」の模型は、それぞれわたしが拜乘の機會に浴した思ひ出の爲に材料を買ひ集めて組み立てたものである。近日中にエンヂンを取り付けて競技會へ出場させて見ようと考へてゐる。わたしは去年の秋、軍港街に移...
更新日: 2023/06/07
b8777f6c9c1eさんの感想

昭和10年には軍艦模型が趣味として語られるようになっていたのが、まず興味を引く。作者にとっては若い晩年とも言えるこの年。横須賀の熱気や緑の美しさを、漢詩から借りてきて表現するほど穏やかな日々であったようだ。 だがこの後の余裕が無くなっていく世上を感じて、逃避するような感じもある。さすがに巧みな文章で、もう少し評価されて良い作家と思ったな。

更新日: 2017/10/29
芦屋のまーちゃんさんの感想

おもしろくない