牧野信一
昭和10年には軍艦模型が趣味として語られるようになっていたのが、まず興味を引く。作者にとっては若い晩年とも言えるこの年。横須賀の熱気や緑の美しさを、漢詩から借りてきて表現するほど穏やかな日々であったようだ。 だがこの後の余裕が無くなっていく世上を感じて、逃避するような感じもある。さすがに巧みな文章で、もう少し評価されて良い作家と思ったな。
おもしろくない