母の 鍵を かけてある 箱を こじ開けて 中の 蔵書を 密かに 盗み 読みする。なかから 出て 来たのは 枕絵とか 危な絵の 類い ではなく 読書家が 読むような ごくごく 普通の 本だった ようだ。もしかしたら 息子を 本好きに するための 母親の 深慮遠謀で なかったかと 見当はずれ かもしれない 深読みを してみた。
何を言いたいんだろう。
随筆。幼い頃母は英語や世界史、論語を講義してくれたが己はあまり熱心な生徒ではなかったと語る。それよりも母が隠れて楽しんでいた書物に興味をそそられ、こっそり手を出し読んだ「風流線」が初めての小説だったという。 昔は小説も数十年前の漫画のように軽んじられていたものなあ。けれど結局筆者はそれをたずきにしているのだからクスリ。自分も親の居ぬ間に親の本棚を漁ったことを思い出してほのぼのした。