秘められた箱
牧野信一
何を言いたいんだろう。
随筆。幼い頃母は英語や世界史、論語を講義してくれたが己はあまり熱心な生徒ではなかったと語る。それよりも母が隠れて楽しんでいた書物に興味をそそられ、こっそり手を出し読んだ「風流線」が初めての小説だったという。 昔は小説も数十年前の漫画のように軽んじられていたものなあ。けれど結局筆者はそれをたずきにしているのだからクスリ。自分も親の居ぬ間に親の本棚を漁ったことを思い出してほのぼのした。