松永延造
ラオチャンド氏の 笛は 数度 鳴った。女からの 求愛を 逃れる 時 望郷の 念 おさえがたき とき などである。横濱 居留地の 近くで 過ごした 著者は 支那人 印度人 エジプト人と 交流があった。深刻な 病気で 寝込んで いるとき 薬石 功なく 病院で ラオチャンド氏は 絶命した。印度に 住む 母親の 下に 送られた 遺品の 中には 笛も 納められていたと 伝え 聞いた。手厚い 看護に 関係する 各方面から 丁重なる 謝辞が 伝えられたと 聞く。