「ラ氏の笛」の感想
ラ氏の笛
ラしのふえ

松永延造

分量:約22
書き出し:一横浜外人居留地の近くに生れ、又、其処《そこ》で成育した事が何よりの理由となって、私は支那人、印度人、時には埃及《エジプト》人などとさえ、深い友誼を取り交した経験を持っている。そして彼れ等の一人一人が私に示した幾つかの逸事は、何れも温い記憶となって、今尚お私の胸底に生き残り、為す事もない病臥の身(それが現在に於ける私の運命)へ向って、限りない慰めの源を提供するのである。時は大正×年、秋の初め、場所...
更新日: 2025/09/10
艚埜臚羇1941さんの感想

  ラオチャンド氏の 笛は 数度 鳴った。女からの 求愛を 逃れる 時 望郷の 念 おさえがたき とき などである。横濱 居留地の 近くで 過ごした 著者は 支那人 印度人 エジプト人と 交流があった。深刻な 病気で 寝込んで いるとき 薬石 功なく 病院で ラオチャンド氏は 絶命した。印度に 住む 母親の 下に 送られた 遺品の 中には 笛も 納められていたと 伝え 聞いた。手厚い 看護に 関係する 各方面から 丁重なる 謝辞が 伝えられたと 聞く。