宮本百合子
久々の一気読み。宮本百合子による花を題した小説のひとつ。一見彼女のプロレタリア文学から掛け離れているとおもったが、登場人物は、荒々しい風貌だが誠実で頼れる石川に代表される労働者と非労働者クラスの美しいが非生産的な飯田親子に分けられる。ということは、やはりプロレタリア文学が伏線となっているのか。肉付けで、中長編小説になり得る物語であるが、充実した短編小説である。最後の部分は、鳥肌。